
参考にしたいインテリア術〈MORON CAFE〉の場合
おしゃれなカフェやセレクトショップにお邪魔して、ハイセンスな空間(部屋)の作り方を学んでしまおう!というシリーズ企画。
今回は訪れたのは長町武家屋敷跡近くにある『MORON CAFE』。2019年の秋にオープンして以来、独自視点のライフスタイルを発信する人気のカフェです。

コンセプトは「遊び心」のある空間
旧診療所を改装したという店内には、オーナー自らが買い付けた年代物のヴィンテージ家具や雑貨が並べられています。
モノトーンを基調としたシンプルな部屋が、ヴィンテージ家具によって温かみのある空間に。まるでブルックリンのおしゃれなカフェにいるかのような景色です。

お店ではオーガニック食材を使った焼菓子やカレーなどの食事を提供するほか、観葉植物やアンティーク雑貨なども販売しています。

2階はアパレルブランド〈FILL THE BILL〉のショップとなっていて、1階のカフェとはまたちょっと違った雰囲気が楽しめます。

この建物のリノベーションやインテリアの構成には〈FILL THE BILL〉のデザイナーさんも深く関わっているそうです。
それではさっそく、オーナーの宮川慎伍さんにインテリア術について聞いてみましょう!

快適さにつながる空間の余白。
『MORON CAFE』をつくるときに、どんなことを意識しましたか?
オシャレだけどやりすぎないというか、店の前に飾ってある提灯もそうなんですけど「ちょっと遊び心のあるラフな空間」にしたかったんですよ。
それはなぜですか?
あんまりスタイリッシュにしすぎると居心地が良くないし、かといってヴィンテージばかり揃えるとコッテリしてしまう。バランスが大切かなと思ってます。
内装がモノトーンを基調にしているのも、そういう理由ですか?
そうですね。無機質な空間にこそ、こういったヴィンテージ家具や植物が合うというか。お互いが主張し合わない過ごしやすい空間になる気がしますね。
ほかにこだわったところはありますか?
空間に余裕をもたせることかな。そうすることで部屋全体が落ち着いた雰囲気になる。とくに入り口付近はスッキリさせました。出入り口がゴチャついていると、どうしても店が狭く感じてしまうんですよ。

宮川さんはお店の顔でもあるカウンター周りの景色をクリアにするため、テーブルの配置にもひと工夫。このアイデアは部屋づくりにも応用できそうです。
もし部屋のキャパシティが限られていても、ひとつの場所にものをギュッと集めればスペースは生まれるはず。デッドスペースを作らないように配置を心がけるのがコツです!

家具も植物もサイズ感が大事。
植物ってどうやって飾ると、おしゃれに見えますか?
一番大事なのはサイズ感ですね。どんなにきれいな植物でも、空間とマッチしてないと台無しです。
たしかに!
とくにリビングはシンボルになるくらい大きなものでないと、逆に貧相に感じてしまうかもしれませんね。どこにいても目に入るような場所に置くのもポイントかな。

さっきから気になってたんですけど、カウンターの照明すごくいいですよね。
ありがとうございます!ニューヨークで見つけたんですけど、ボリュームもあるし広々とした空間で使うにはぴったりかなと思って。
シンプルだけど存在感があります。
やっぱりメインで使うものはシンプルなデザインの方が、あとあと後悔しないような気がしますね。それとは逆に階段の照明は、外しのアクセントとしてカラフルなランプを採用しました。


最後に自身が手がけたリノベーションについても聞いてみました。
リノベをしてみて、なにが一番大事だと思いましたか?
とにかくやりきることですね。リノベーションはやってると色んな問題に直面する。コストを優先するか、仕上がりにこだわるか。2択を迫られる場面が本当に多いんです。
そんなときはどっちを選択するんですか?
迷ったときはコストがかかっても、自分が理想とする仕上がりを選択しますね。そうすれば後悔しないし、実際にそれが良い決断だったと思うことが多いんです。
リノベーションって意外と費用がかかりますもんね。
もちろん全てに費用をかけることはできないので、もともとある素材や造りを生かすといったアイデアも必要になってくると思います。

以上『MORON CAFE』の宮川慎伍さんによるインテリア術でした!
ハイセンスなカフェを経営する宮川さんならではの視点とアイデア。そこには部屋づくりのヒントがたくさん隠されている気がします。
MORON CAFE
MORON CAFE
モランカフェ
石川県金沢市長町2-4-35 1F
TEL.076-254-5681
営業時間/11:00~17:00(土日祝は9:00〜18:00)
定休日/火曜日
席数/32席
駐車場/2台
※こちらの情報は取材時点のものです。