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住空間学①|インテリアと居住空間

インテリアを考えるコラム【住空間学】
空間デザイナー、インテリアデザイナーの資格を持つ〈空間コンダクター〉駒井佑至が語る、美しい暮らしとなる〈住空間〉とは。


空間づくりはシンフォニー

こんにちは。今回から住宅や空間を考える【住空間学】というコラムを書かせていただく駒井佑至です。
僕は、お客様のご要望に応じてインテリアの提案や家具デザイン、リノベーションの設計など、空間づくりに関する仕事をしています。

空間をつくるときは、いろんな要素の重なり合いとその調整が必要です。僕自身の役割は時と場合によって変わるので「何でも屋さん」と呼ばれることも多いです。

今回は「空間コンダクター」と紹介していただきました。

コンダクターとは、指揮を執るという意味を持ちます。空間のコンセプトを決め、そこから全体像を確立させ、細部に落とし込んでいくという「空間づくり」を調整する役割です。これは、一方的に指示するという意味ではありません

例えば、家を一つのシンフォニーとして捉えた場合、指揮者が作曲者の思い描いた曲の意図を汲み取り表現していくように、僕は家づくりをする本人の思いを調和のとれた美しい空間につくりあげていきたいと思っています。

理想の暮らしを空間に落とし込む

この場で警鐘を鳴らしたいのが、家づくりは主体である思いがないと始まらないが、それが曖昧になりやすいということです。

思い描いた暮らしのために家づくりをしているはずが、いつの間にか慣れない細々とした判断作業に疲れてしまって、一番重要な「理想の暮らし」を忘れてしまうなんてことすらあります。

自分なりの「理想の暮らし」をイメージしないまま、作り手の都合で色々説明されていくと、何となくそんな気がしてきてしまう…なんていうのは、とてももったいないことです。

僕自身は空間づくりを日々学んでおり、はじめての方より何倍も詳しい自信があります。
しかし多くの人にとって、家づくり、空間づくりは、はじめてのことであり、人生に何回も経験するものではありません。
そして多くのメーカーや業者や職人が関わってきますので、さらに混乱すると思います。

そのうちに細かな判断や専門用語に疲れてしまい、いつの間にか自分の思いを失いかけてしまうのも無理はありません。そんな時は、僕たちのような存在を頼ってみてはと思います。

それでも、つくるのは僕が過ごす空間ではありません。

たとえ、プロがどれだけ研鑽を積もうとも、「思い」だけはその空間に住む本人にしか見つけられません。十人十色の「思い」を増幅させ、色々な判断を調整しつつ、その人にしか出せない色をもった空間を具体的にカタチにしていく。それが空間づくりの面白さであり、僕たち空間コンダクターの活躍の場だと思っています。

「お任せ」の落とし穴

空間づくりで大切なのが、全員が当事者意識を持ち、お互いに〈お任せ〉にならないことです。

例えば「大きなソファのあるリビングで寛ぎたい」というイメージをもつ人が、家の完成間近に家具屋さんに行って「あれ、このサイズ入らないじゃん」となり、当初の暮らしのイメージを家が建つ前から早速諦めなくてはならないという大掛かりな大喜利を展開したり。

嘘のような話ですが、実際に店頭でちょくちょく見かけます。びっくりですよね。

こういった事例では、つくり手は家具選びをお客さんにお任せし、お客さんも設計はつくり手にお任せで思いを伝えきれていなかった。もしくは、設計段階ではその思いにご本人も気付いていなかったのかもしれない。

こういった経験の中から「空間づくりをこういった考え方で進めるといいんじゃないかな」ということをお話しできればと思っています。

シンプルに、自分のための空間づくりは楽しいですよね。
少しの意識で満足度は雲泥の差になると思っています。

今回は、マンションか戸建てか、立地、性能、素材、デザイン、コスト、インテリアなど様々な要素は、人によって優先事項が変わってくることだけ伝えられれば十分です。

お話しは数回にわたりますが、世の中に対してどういう効果があるといった広い意味はなくて、どれも「僕がつくるならこうしたい」というより個人的な考えです。

それが正しいかは分かりませんが、ユーザー目線に近いものであるとは思っています。
「そういう考え方もあるのか」くらいで気楽に読んでいただければ嬉しいです。

執筆者プロフィール

駒井佑至
空間デザイナー、インテリアデザイナーの資格を持つ「空間コンダクター」。インテリアの提案や家具デザイン、リノベーションの設計など、空間づくりに携わる。インテリアの話題を発信するInstagramアカウントも注目が集まる。
Instagram:@yushikomai

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